【施術事例】

2026.09.05

【施術事例|少しずつ生まれた信頼①】


今回ご紹介するのは、

出張ケアで関わらせていただいた方とのお話です。

初めてお会いしたのは、
まだ入院中だった頃。

一時外泊でご自宅に戻られているタイミングでした。

精神的な不調から入院され、
退院までは「1年くらいはかかるかもしれない」と
言われていたそうです。

薬の影響もあり、表情の変化が少なく、
発語もほとんどない。

挨拶は会釈程度で、
会話もほとんどありませんでした。

そして、私に対する警戒心も強く、
最初は身体に触れてケアをすることもできませんでした。

それでもご家族は、

「このままではなく、
何かできることはないだろうか」

そんな思いを持っておられました。

そこで始まったのが、
定期的な訪問ケアでした。

最初はご本人への施術ではなく、
ご両親のケアから。

ご両親の身体を整えながら、
同じ空間で過ごす時間を少しずつ重ねていきました。

無理に話しかけない。
無理に近づかない。
無理に触れない。

その方のペースを大切にする。

すると、ある時ご家族が気づきました。

「いつもなら、すぐ2階に上がるのに、
リナさんが来てる時は上に行かず、
椅子に座ってるね。」

私もご家族も、
「ほんまやね」とびっくり。

言葉はなくても、
少しずつ何かが変わっている。

そんな小さな変化を、
ご家族と一緒に喜びました。

そして3回目の訪問。

初めて、
その方の身体に触れさせてもらうことができました。

「触れる」という、
ほんの小さな一歩。

でも、そこに至るまでには、
その人のペースを待つ時間と、
ご家族と積み重ねてきた時間がありました。

ケアは、
身体に触れることだけではない。

まずは安心してもらうこと。
信頼してもらうこと。

そこから始まるケアもあるのだと、
この経験を通して改めて感じました。

次回は、
初めて身体に触れさせてもらえた
「3回目の訪問」のお話です。

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